ルートビアって何?

お手元の英語の辞書で、「Root beer」を引いてみて下さい。きっと載っている事と思います。
アメリカでは、辞書にも載るほどポピュラーな清涼飲料です。Beerと言っても、アルコールは入っていません。ルートビアは、お子さまからお年寄りまでが一緒に楽しめる飲み物なのです。

では、ルートビアの中身は何でしょう。ここからは、沖縄にある、ルートビアで有名なA&Wのホームページから抜粋してみます。

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ナチュラル&ヘルシー。大自然の中で育てたハーブの力がルートビアの柔らかな味わいになります。

ルートビアのおいしさは、自然の素材とA&Wのこだわりから出来ています。
例えば、ルートビアの豊かなフレーバーに使われているサルサパリラはユリ科の植物。
同じく甘い香りを醸し出すバニラ。
古くはピタゴラスやプラトンの書物にも登場するマシュマロウは和名でタチアオイ、その根のシロップは咳をしずめ、整腸や不眠の解消に効果があります。
甘草という和名で親しまれるリコリスの根は、薬草同志の調和に使われ、また、西欧でも古くから消化を助けたり、咳の緩和のために用いられてきました。
これらをはじめルートビアの原料となるハーブたちは、アメリカ山間部の農場で大切に育てられ、大自然の力たっぷり吸収した特別なもの。だからとってもナチュラルでヘルシー。
カフェインレス・保存料無添加・ノンアルコールの自然派志向。
こだわりを持って独自の製法を守り続けるところから、さわやかな口あたりとやさしい味わいのルートビアが生まれるのです。

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ルートビアの歴史

それでは、ルートビアはどの様にして生まれて、現在のルートビアになっていったのでしょうか。
それは、だれが発明したという物でも無い様です。17世紀から18世紀、北米大陸が植民地となり、イギリスから開拓団がやってきました。その頃に、ビールの代替飲料として、アメリカの薬草を原料にして、ルートビアの基礎を作っていった様です。

古くは17世紀、シェークスピアが、植民地時代のアメリカから送られたレシピに基づいて、ハーブやベリー、樹皮などで作られた、アルコールを含む「small beers」と言う名前の飲み物を作って飲んだという記録が有るそうです。

ルートビアは、植民地時代のアメリカにて、カバの木やサルサパリラ、ジンジャーなどを使ったビールとして始まった様で、自宅の裏に作った醸造施設でアルコール入りのルートビアを造り、ホームパーティなどで飲まれていた様です。

また、時を同じくして、植民地時代のアメリカ大陸で新しく発見された植物を元に、新薬を発明しようとするブームがおこり、渡米した研究者達がそれらの植物を使って実験を繰り返しますが、1870年頃、その過程で、ビャクシン、ヒメコウジ、カンショウ、オオウメガサソウ、サルサパリラ、バニラ、ホップ、ドッググラス、樺の樹皮、リコリスを使った、現在のルートビアの基本となるレシピが出来てきたとの事です。ただ、最初は純粋に薬効の高い薬として使われ、甘苦い味は決して一般的に受けるものではなかったと言われています。

これらの二通りの流れが一つになり、今のルートビアになっていった様です。
商業的には、1876年にフィラデルフィアで行われた博覧会で、薬剤師のハイヤーズ氏がルートビアを売り出したのが最初です。このハイヤーズ氏のルートビアは大人気となり、ルートビアと言ったらHiresと評判になった様です。これを機として1893年に瓶詰めルートビアの発売に至ります。この初めて商業的にルートビアを売り出したハイヤーズ氏の会社は、現在でもHiresブランドにてルートビアを製造し、世界中に愛されて続けているそうです。

ルートビアはこの様に、アメリカの開拓史と一緒に生まれ育った、アメリカ人には無くてはならない飲み物だという事がお解りになるかと思います。それに、伝統を大切にするアメリカ人は、今でも各家庭オリジナルのルートビアを造っているそうです。
また、コーラを初めとして、現在沢山の炭酸飲料が有りますが、ルートビアが最も歴史の有る炭酸飲料だそうですし、ルートビア初のブランドであるHiresも、コカコーラ(1886)やドクターペッパー(1885)よりも古いというだけではなく、実は、トヨタ、ホンダ、ソニー、IBM、モトローラ、メルセデスと云った全業界における「ブランド」そのものの概念を初めて作ったのが、「Hires Root Beer」だと云われています。

A&Wのルートビアの歴史については、A&Wのトレー紙に次の様に書かれていました。

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A&Wの創立者アレン(ROY ALLEN)は町のくすり屋の店員でした。
ある日病気の友人のお見舞いに気分をすっきりさせる飲み物を作ろうと思い立ちました。
そして、何種類かの薬草、薬品の樹皮根などのエッセンスを調合した飲み物を作ってその友人に贈りました。
アレンの調合した飲み物は大変好評で、友人達にせがまれ特に甘く飲みやすく調合したものを作りました。
これは薬品としてより飲み物として街の評判となりました。
そしてついに街の名物として街角のジューススタンドで売られる程になったのでした。
新しい飲み物はルートビアと名付けられましたが、
それはアメリカの大自然の中で育まれた薬草類の根(ルート)のエッセンスを調合したものという意味と、
時の大統領ウィルソン(第28代)により、
1919年(A&W創立の年)に禁酒法が交付された為それに替わるアルコールを含まないビールとして売り出された歴史的な背景に由来するものです。
今日ではA&Wルートビアの原料になる約14種類の薬草類は、都会をはるかに離れた山間の農場で清らかな水と豊かな太陽の下で大事に育てられ収穫されて街の近代設備の工場へ送られてルートビアと変わります。
ルートビアはいわばアメリカの大自然のエッセンスなのです。

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今、ルートビアは、アメリカを中心とした世界各国にて愛飲されています。

沖縄では、A&Wではお代わり自由で飲むことが出来ますし、その他、ファーストフードチェーンのJEF、シェイキーズ、一部のピザ、タコスの店、喫茶店などでも飲む事ができる様です。
また、ほとんどのスーパーでは、沖縄の貿易会社が輸入した、A&Wブランドの缶入りルートビアを購入する事が出来ます。
他にも、米軍基地内に、また別の種類のルートビアが販売されており、それは、米軍のフリーマーケット等のイベントで購入する事ができます。

沖縄以外では、ハードロック・カフェにて飲むことができる様ですし、輸入食料品店や、一部の東急ハンズ、ソニープラザなどに、A&Wブランドやダッツ、マグブランドの缶を取り扱っている場合もあります。ヴィレッジ・バンガードにも有りそうですね。

ルートビアが好きな方も沢山いらっしゃいます。
有名な所では、スヌーピーや、X−ファイルのモルダー捜査官が愛飲しているそうですし、外国の映画やテレビ番組を見ていると、結構出てくるのでは無いかと思います。

A&Wは、ルートビア・スタンドから始まった国際的なファーストフードチェーン店なのですが、他に、高級ホテルチェーンの、マリオット・インターナショナルも、最初はカウンターに9つの客席しか無い、ルートビアスタンドから始まったと言われています。
ルートビアも、アメリカン・ドリームの象徴なのかもしれません。

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